



実験していましたミクロンフィルム/紙貼り、新工法のテストが終わりました。結果は上々だと思います。
工程ですが、まず翼の窓の部分に、ある程度の貼りしろを確保してミクロンフィルムを張り付けます。翼端等に貼る場合も、充分な貼りしろを確保する必要があります。Iビーム等の主翼で、前縁プランクの無い機体の場合、この工法は難しいかもしれません。
次に、フィルムの貼っていない部分にのみウレタンサンディングシーラーを一回塗布、二回目はシーラーにタルクをたっぷり入れた物を塗布、乾燥を待ってサンディングします。三回目にはシーラーのみを塗って、タルクを固めるイメージで処理、サンディングをして下地処理を終えます。これでミクロンフィルムを貼った部分と、生地部分の段差を解消し、木部の塗料の染み込み対策も終えました。
次は紙貼りの工程ですが、その前にフィルムと紙の密着を改善するために、ミッチャクロンという商品名の万能プライマーを、インターバルを置いて2回ほど薄く吹き付け、できれば一日ほど充分に乾燥させます。この部分が今回の改良点ですね。これにより、格段にフィルムと紙の貼りつきがよくなりました。
紙の貼り方については、昔と変わりません。霧吹きで湿らせて、紙の繊維を充分に伸ばします。余分な水分を新聞紙に吸収させたら翼の上に紙を置き、薄めのシーラーを表面から塗りこみなが貼り付けていきます。
後は、トータルの重量と相談しながら、ウレタンシーラーを塗り込んでサンディング、という工程を繰り返して下地作りを終了します。後は好みの方法で着色、トップコートでフィニッシュですね。
なぜフィルムと紙の密着が重要かと言いますと、まず両方が貼り付いていて、はじめて強度が増すという事と、貼りついていないと粘着力が強い曲線のマスキングテープ等で色分けした場合、はがす際に紙のみが引っ張られて、下手をすると破れる可能性があるためです。
写真は5年ほど前にミクロンフィルム/紙貼り工法で被覆した機体です。今現在、ほとんど痛みはありません。まだまだ大丈夫だと思います。